小児用新型コロナウイルスワクチンの中間報告
当クリニックで5歳から11歳までの小児を対象とした新型コロナワクチン接種を開始して3週間が経ちました。心配していた副反応ですが、重篤なものはなく痛みや発熱も12歳以上の接種者よりも少ないようです。接種を考えている方は流行が下火になってきた今がチャンスです。
接種の注意事項はお知らせの「小児用新型コロナウイルスワクチン接種を開始します」に詳しく書いてありますのでお読みください。
新型コロナウイルス感染症流行中
子どもたちの間でも新型コロナウイルス感染症が流行しています。
発熱がある小児の受診を希望される場合、従来通り電話またはネットで予約を取っていただき、更に来院前に電話(044-951-3390)で発熱がある旨知らせていただきますようお願いします。他の患者さんや医療スタッフへの感染を防ぐ必要がありますので隔離された部屋での診療になります。
スギ花粉症患者さんに対するアレルゲン免疫療法(舌下免疫療法)のお知らせ
本年度のスギ花粉舌下免疫療法は6月から開始します。
ただし、現在行っている患者さんはシーズン中も継続しますので引き続き服用をお願いします。
ダニ抗原が原因のアレルギー性鼻炎(通年性)に対するアレルゲン免疫療法(舌下免疫療法)は通年で可能ですのでご希望の方は外来受診時にご相談ください。
なお一人の患者さんでスギとダニの2つの舌下免疫併用療法も可能ですが、同時には開始できません。
詳しいことは外来で説明いたします。
5歳児健診のお知らせ
当クリニックでは5歳児健診の時に従来から行っていた目の検査(近視、遠視、乱視、斜視の有無)に加えて、聴力のスクリーニング検査も行えるようになりました。是非ご利用ください。
予防接種を検討されている皆様へ
新型コロナウイルス感染症が身近に感じられるようになり、予防接種を迷っている保護者の方も少なくないと思います。
心配される気持ちはよくわかりますが、定期接種の年齢に達した子供たちの接種時期を遅らせることはそれだけ感染の機会が増えるということになります。
ぜひ、接種の年齢になりましたら遅らせることなく予防接種を受けるようにしてください。
公費扱いになる予防接種は接種できる期間が決められております。特にMRワクチンの2期は年長児の間、水痘は3歳未満、B型肝炎ワクチンは1歳未満、など受けられる年齢幅が狭くなっていますので忘れずに受けるようにししてください。
当科では、一般診療の時間と予防接種や健診の時間を分けてありますので感染の機会は非常に少なくなると思います。
また、その時間に受診できないという方は隔離用の部屋での接種も可能ですので受付に申し出てください。
4価髄膜炎菌ワクチンのお知らせ
髄膜炎菌感染症は髄膜炎菌という細菌が感染することによって引き起こされる全身性の感染症です。最初は風邪に似た症状が発現しますが、急激に悪化して24時間以内に死に至ることがあります。15~19歳で感染のリスクが高まることが報告されています。特に集団生活やコップなどの共有が感染リスクとなり、国内の学生寮でも死亡例が報告されています。(以上、サノフィ株式会社のパンフレットより抜粋)
学生寮や運動部の寮などで集団生活を始める。ワクチン接種が必要な国(アメリカ、オーストラリア、カナダ、イギリス)や地域に海外留学する。という高校生や大学生の方は接種をご検討ください。
髄膜炎菌ワクチンは任意接種ですので自費扱いになります。接種回数は1回です。費用は電話でお尋ねください。
離乳食の開始時期
離乳食の開始を遅らせることで食物アレルギーの発症を予防する効果は期待できません。逆に現在、食物アレルギーを予防する方法としては乳児期早期から色々な食品を摂取する方が有効であるとの報告が多くなされています。少なくとも離乳食を遅らせても食物アレルギーを含めたアレルギー疾患の発症を予防する効果はないと考えられており、一般的に生後5~6ヶ月頃を見安に離乳食を開始し、月齢ごとに摂取可能な食材、量を適切に摂取することが望ましいと考えられています。この考え方は日本に限らず欧米でも同様で、鶏卵、ピーナッツ、魚などといった特定の食品の開始を遅らせることは推奨しないと発表されています。離乳食を開始する前にすでにある特定の食品に感作されている場合もありますので、本人に湿疹がある、ご家族に食物アレルギー患者がいる場合などはアレルギー専門医に相談してください。
おたふくかぜワクチンを受けましょう
おたふくかぜに有効な薬は現時点ではありませんので、ワクチンで予防するのが最も効果的です。
集団生活で感染することが多いため、入園、入学前にはぜひ受けておきましょう。お薦めのスケジュールとしては1回目を1歳代、2回目を4歳から入学前に受けるのが良いでしょう。
ただし、この年齢を過ぎてからの接種でも十分に予防効果は得られますので、まだ接種していない人はぜひ受けるようにしましょう。
おたふくかぜの説明は「主な疾患」のページに書いてあります。
不活化ポリオワクチン接種希望の方へのお願い
当クリニックでは不活化ポリオワクチンを常備しておりましたが、接種希望者が非常に少ないため常備することができなくなりました。
つきましては、希望される方は事前にクリニックにお電話をいただき予約を御願いします。
鶏卵アレルギー発症予防に関する提言
日本小児アレルギー学会食物アレルギー委員会より提言がなされました。
提言の骨子は以下の通りです。
- アトピー性皮膚炎に罹患した乳児では、鶏卵の摂取が遅いほど鶏卵アレルギーが発症するリスクが高まるというエビデンスの基づき、鶏卵アレルギー発症予防を目的として、医師の管理のもと、生後6か月から鶏卵の微量摂取を開始することを推奨する。
- 鶏卵の摂取を開始する前に、アトピー性皮膚炎を寛解させることが望ましい。
- 乳児期早期発症のアトピー性皮膚炎、特に重症例では、この提言を実行するにあたりアレルギー専門医(小児科、皮膚科)や乳児期のアトピー性皮膚炎や食物アレルギーの管理に精通している医師による診療を受けることを推奨する。
- 鶏卵の感作のみを理由とした安易な鶏卵除去を指導することは推奨されない。
- 本提言は発症予防のためであり、すでに鶏卵アレルギーの発症が疑われる乳児に安易に鶏卵摂取を促すことはきわめて危険であるため、「食物アレルギー診療ガイドライン2016」に準拠した対応をする。
以上、かなり難しい文言が並んでいますが、要するに6か月未満のアトピー性皮膚炎患者さんは、アレルギー専門医のもとでできるだけ早く湿疹のコントロールを行い、鶏卵アレルギー予防のために離乳食の初期から微量から鶏卵摂取を開始しましょう! という提言です。