アレルギー科

院長の小幡俊彦は日本小児科学会認定の専門医であり、さらに日本アレルギー学会認定の専門医(小児科)でもありますので、小児アレルギー疾患の治療を得意としています。

特に専門的な治療を必要とする喘息、アトピー性皮膚炎、食物アレルギーなどの疾患に対しては、わが国や国際的な治療・管理ガイドラインに基づき、科学的に効果が証明されたオーソドックスな治療を行うように心がけています。

アレルギー疾患はコントロールしにくいと考えている保護者も少なくないと思いますが、決してそんなことはありません。子供たちの日常生活が円滑に送れるようにすることを第一に考え、後で子供たちに「なぜ、小さいうちにしっかりと治療してくれなかったの?」と言わせないような治療を受けるようにしましょう。

アレルギー科の主な疾患

アトピー性皮膚炎

アトピー性皮膚炎は、皮膚のバリア機能の障害と皮膚の炎症が起こるため痒みの強い湿疹が長く続く病気です。痒みにより睡眠障害、集中力の低下がおこります。

アトピー性皮膚炎にも重症度に応じた治療があり、治療の原則は悪化因子の除去、スキンケア、薬物療法が治療の3本柱です。湿疹の原因をなくし、スキンケアを徹底して保湿剤とともにステロイド外用剤やプロトピック軟膏を使用して皮膚の炎症を抑え、早期に皮疹を治療して皮膚のバリア機能を整え、アレルギー状態全体が進行するのを防ぐことです。最近の報告では、乳児期早期の湿疹のコントロールが良好であれば、将来のアレルギー疾患の進展(アトピー性皮膚炎、食物アレルギー、気管支喘息など)を予防できるのではないかと注目されています。

ステロイドホルモンは体内で毎日産生されているホルモンであり、適切な外用剤の使用(フィンガーチップユニット(FTU)、プロアクティブ療法を基本としています。)ではまず副作用は起こりません。そして、最終的な目標はスキンケアと保湿剤だけで皮膚をツルツルした状態に保ち、痒みのない日常生活を送らせることにあります。

重要なことは湿疹が悪化する原因を避け、スキンケアを上手に行い、良い皮膚の状態を維持するための予防的な軟膏治療法を身につけていくことが必要で、そのために専門の小児アレルギー科医による指導・管理を行いながら治療を進めていきましょう。

食物アレルギー

食物アレルギーは血液検査や皮膚テストだけでは正しく診断することはできず、その検査が陽性でも必ずしも症状が出ることはありません。また陰性であってもごく稀に症状が出る場合があるため、検査結果のみでは不必要な除去を続けてしまう可能性があります。食物アレルギーの基本は正しい診断に基づく必要最小限の除去、早期の除去解除にむけて食物経口負荷試験による耐性の確認、誤食などによっておこるアナフィラキシーを起こしたときの対応です。

当院では、原則として皮膚テストや血液検査などを参考にして原因抗原の究明を行うことにより食物除去を最小限(必要最小限の除去)にし、不必要な食物医除去は避け栄養のバランスを整えます。ピーナッツなど症状が強く出る可能性がある食品の食物経口負荷試験は専門の病院に依頼しております。

原因食物の除去が必要な場合でも、少しずつ食べながらできる限り早期に解除していく治療方法を行います。アナフィラキシーを起こす可能性がある場合にはアドレナリン自己注射(エピペン)を導入してアナフィラキシー対策を学校、園を含めて考えていきます。

食物アレルギーとアトピー性皮膚炎の治療の変化

お子様がアトピー性皮膚炎では、食物アレルギーではと心配されている保護者に申し上げたいと思います。食物制限より前にやることがあります。

国立成育医療研究センターから乳児期(特に6か月以前)に皮膚の保湿をしっかり行うことによって、皮膚のバリア機能が保たれ、その結果アトピー性皮膚炎さらには食物アレルギーの発症を予防し進展を遅らせることができるのでは、との報告がなされています。
他に、食べることによって食物アレルギーが予防できるとの研究報告もあります。

乳児湿疹や乾燥肌があり、アトピー性皮膚炎ではないか、食物アレルギーではないかとお悩みの保護者にもう一度申し上げます。

食物制限より前にやることがあります。

気管支喘息

呼吸機能検査機器

小児喘息の治療は大きく変化してきました。喘息治療・管理ガイドラインが普及し、早期から吸入ステロイド薬を積極的に使用するようになってきました。さらに乳幼児の喘息を早期診断・早期治療し重症化を予防することの重要さが強調されています。

小児気管支喘息治療・管理ガイドライン(日本小児アレルギー学会作成)に基づいた指導(薬物治療、環境整備指導、教育等)を重視し、必要に応じて血液検査、呼吸機能検査(スパイロメーター)、呼気中の一酸化窒素(FeNO)測定、SpO2測定、家庭でのピーフローモニタリングなどを行い診断や治療方針の決定さらに治療効果の確認に役立て、生活の質(QOL)の向上を目指し、運動を含めて普通の生活を送れることを目標にして治療を行います。

花粉症

花粉症は、くしゃみ、鼻水、鼻づまり、目のかゆみや充血が主な症状ですが、咳、鼻づまりによるいびきや睡眠障害、鼻出血もよくあります。花粉症は成人の病気でしたが最近は低年齢化が進んでおり早い子では2~3歳で発症する場合もあります。原因となる植物はスギが最も多く他にヒノキ、ハンノキ、シラカンバ、ブナ、コナラ、など樹木類とカモガヤ、ハルガヤ、ブタクサ、ヨモギなどの草本類も原因となります。季節と症状で花粉症の診断は可能ですが、原因となる花粉の検索には血液検査や皮膚テストが必要になります。同時にダニ、ハウスダスト、ペット類などを検査することをお勧めします。

治療は花粉との接触を極力避けることと適切な抗アレルギー剤(経口、点鼻、点眼)の使用が効果的です。根本的な治療法としては、従来からのアレルゲンの皮下注射による免疫療法に加え、舌下免疫療法(成人スギ花粉症のみ)が行われるようになってきました。

アレルギー性鼻炎

アレルギー性鼻炎は鼻粘膜のⅠ型アレルギー疾患で、発作性・反復性のくしゃみ、水様性鼻汁および鼻づまりが3大症状です。年間を通して症状が出現する通年性アレルギー性鼻炎と季節性がある季節性アレルギー性鼻炎に分けられます。季節性の代表的な疾患にスギ花粉症がありますが、スギ以外にも春に多いヒノキ、ハンノキ、シラカンバ、夏から秋にかけてはカモガヤ(イネ科)、ブタクサ、ヨモギ、カナムグラなどによる花粉症もあります。

治療法には、①抗原の除去と回避、②薬物療法(経口薬、点鼻薬)、③特異的免疫療法、④手術療法 などがあり、重症度、年齢などを考慮して選択されます。

アレルギー性結膜炎

アレルギー性結膜疾患は以下の4つに分類されます。

①アレルギー性結膜炎
②アトピー性角結膜炎
③春季カタル
④巨大乳頭結膜炎

③、④は結膜の増殖性変化がみられるため、眼科医による治療が必要です。②はアトピー性皮膚炎に合併して起こる結膜炎です。
患者さんが一番多いのが①のアレルギー性結膜炎で、症状の発現が季節性があるものを季節性アレルギー性結膜炎(花粉症によるものが多くなりますが、ペットも原因となります)で、症状の強弱はあるものの通年性のものは通年性アレルギー性結膜炎とよびます。
治療の基本は、原因の除去、抗アレルギー薬の点眼です。

蕁麻疹(じんましん)

蕁麻疹はとても一般的な病気で、人類の3人から4人に1人が一生に一度は発症すると考えられています。蕁麻疹の病態は皮膚の血管から血液成分の一部が漏れ出た一時的な浮腫(むくみ)で、臨床症状としては赤み(発赤)を伴う盛り上がり(膨疹)が出現し、かゆみを伴うことが多く短時間で消退します。6週間未満でなくなる場合を急性蕁麻疹、6週間以上続く場合を慢性蕁麻疹とよびます。

急性蕁麻疹の原因としては食物、吸入性抗原、ラテックス(生ゴム)、薬物、昆虫、感染症などがあります。温熱、圧迫、水、振動、運動などによって誘発される物理的蕁麻疹も急性蕁麻疹に含まれます。中でも皮膚への物理的な刺激(引っ掻く)で蕁麻疹が誘発される皮膚描記症は最も頻度の高い物理的蕁麻疹です。

慢性蕁麻疹は原因を見つけ出すのが非常に困難で治療に苦戦することがあります。
原因の検索と回避が治療の基本ですが、わからないことも少なくないため薬物による治療が必要となります。経口抗ヒスタミン剤が治療の第一選択となり、必要に応じて他の薬剤を併用することもあります。

アナフィラキシー

アレルゲン(抗原)の侵入により複数の臓器に全身性のアレルギー症状が起こり、生命に危機を与えうる過敏反応をアナフィラキシーと呼びます。

診断としては、
①皮膚・粘膜症状(全身の発疹、痒み、眼瞼・口唇の浮腫)、②呼吸器症状(激しい咳、呼吸困難、喘鳴)、③循環器症状(血圧低下、意識障害)、④消化器症状(繰り返す嘔吐、激しい腹痛)
などのうち2つ以上の症状が、アレルゲンと考えられるものが侵入した後に急速に(数分から数時間)発症した場合にアナフィラキシーを強く疑います。原因(アレルゲン)としては食品以外にも薬剤、輸血、昆虫(ハチ)、ラテックス(生ゴム)などがありますが、小児では食物アレルギーによるものが最も多くなっています。

アナフィラキシーには迅速な治療が必要ですので、救急受診が必要となります。

その他アレルギー疾患

消化管アレルギー/接触性皮膚炎/多型紅斑/薬物アレルギー/口腔アレルギー症候群(OAS)/食物依存性運動誘発アナフィラキシー(FDEIAn)/ラテックスアレルギー/アナフィラキシーショックなど

診療予約はこちら