小児科

小児は大人を小さくしたものではありません。新生児から乳児、幼児、学童さらに思春期と、年齢とともに外見上の大きさが変化するだけでなく、免疫学的、神経学的、内分泌学的にも変化していきます。それも一様に変化するわけではなく様々なステージが存在します。それらの変化に応じた対応をするのが小児科医の務めであり、言わば小児科医の醍醐味であります。
子供たちの一番の主治医はご両親ですが、それをサポートするのが小児科医ですので、ぜひ小児科を利用してください。

特に最近患者さんの増加が著しい食物アレルギーを含めたアレルギー疾患(喘息、アトピー性皮膚炎、蕁麻疹、アレルギー性鼻炎、アレルギー性結膜炎など)の治療、管理を得意としておりますので、相談をお待ちしております。一般診療とは別に専門的な知識と技能を必要とする分野であります乳幼児健診予防接種外来の枠を設けていますので是非ご利用ください。
さらに、専門的な治療や検査が必要と考えられる場合や、外来では治療は困難と思われる患者さんは、病院を紹介いたしますのでご安心ください。

小児科の主な疾患

蚊に刺されてうつる感染症

これからの季節はキャンプ、花火大会、お墓参りなど野外での行事が多くなりますので、「蚊」があなたを狙っています。ジカウイルス感染症という病気を耳にしたことがあると思います。中南米を中心に流行しており、感染した妊婦さんから小頭症の赤ちゃんが生まれる可能性が示唆されています。この病気以外にも数年前に話題になったデング熱をはじめ日本脳炎、マラリア、チクングニア熱、ウエストナイル熱、黄熱など蚊が媒介する病気がいくつも知られています。これらの病気の中でワクチンで予防できるのは日本脳炎だけです。

わが国ではワクチンの普及により1992年以降の日本脳炎の年間患者数は10人未満と非常に少ない病気になりました。しかし日本脳炎ウイルスに感染した豚(豚の体内でウイルスが増え、その血を吸った蚊に人が刺されて感染します)の割合は都道府県によりばらつきはありますが、80%を超える県が九州、四国、東海地方に点在しており決して油断はできません。

発病した場合20~40%の死亡率、生存者の半数には何らかの後遺症が残りますので恐ろしい病気です。ぜひ忘れずに予防接種を受けてください。

インフルエンザ

インフルエンザはインフルエンザウイルスの感染が原因で起こる病気です。インフルエンザウイルスにはA型、B型、C型の3種類があり、世界的に大流行するのはA型です。

潜伏期間は1~3日で、ぞくぞくした感じに続いて突然38~40℃の高熱、だるさ、あちこちの痛みなどが出現し、同時に鼻水、咳、のどの痛みなどもみられます。多くの人は7日から10日で回復しますが、お年寄りでは肺炎を合併したり、乳幼児では急性脳症(意識障害、けいれん)を併発することがあります。

毎年11月頃から流行し始め1月から3月の間に流行のピークを迎えます。毎年わが国の人口の10%前後がインフルエンザのために医療機関を受診すると考えられています。
うがい、手洗い、マスクの着用はとても有効な予防法です。インフルエンザワクチンによる予防もお勧めです。

溶連菌感染症

溶血性レンサ球菌(溶連菌)にはいくつかの種類がありますが、病気の原因となる主な菌はA群レンサ球菌です。(B群レンサ球菌は母児感染の原因菌となります)その病型は以下のように大きく分けて3つに分類されます。

①咽頭炎、扁桃炎などの上気道炎、肺炎、中耳炎、とびひ、産褥熱など
②毒素性疾患(しょう紅熱、丹毒)
③続発症または二次疾患(レンサ球菌感染後急性糸球体腎炎、リウマチ熱)

最も多いのが咽頭炎で秋から冬にかけて流行すると言われていますが、ほぼ一年中あります。潜伏期間は1~3日で、症状は発熱、咽頭痛が強く、悪心・嘔吐を伴うことも多く、ときに腹痛を訴えます。咳、鼻水は軽微です。診断には綿棒で咽頭をこすって菌を検出する迅速検査が可能で10分程度で判定できます。続発症(③)を予防するのが最大の治療の目的で、さらには周囲への感染予防のためにも抗生物質を服用します。適切な抗生物質の服用開始後24時間程度で周囲への感染力はなくなります。

上気道感染症

急性上気道炎、いわゆる"かぜ"の原因はほとんどがウイルス感染によるものです。ウイルス感染には季節性があり、初夏から初秋にはヘルパンギーナや手足口病の原因となるエンテロウイルス属、同時期にはアデノウイルスによる咽頭結膜熱(プール熱)も流行します。秋から冬にかけてはRSウイルスによる細気管支炎や肺炎が、冬にはインフルエンザが流行します。その他、ライノウイルス、コロナウイルス、ヒトメタニューモウイルス、パラインフルエンザウイルスなども上気道感染症の原因となります。乳幼児期に多い突発性発疹もヒトヘルペスウイルス6,7型による感染症です。

上気道感染の9割(以上?)はウイルスが原因ですが、細菌性の上気道炎もあります。その多くが溶連菌感染症です。突然の高熱と咽頭痛で発症し、時に嘔吐を伴いますが咳、鼻水はほとんどありません。この点がウイルス感染との違いになります。稀ではありますが重篤な合併症がありますので抗生剤による治療を行います。

下気道感染症

気管支炎(気管炎)、細気管支炎、肺炎、胸膜炎などを総称して下気道感染症と言います。原因としてはウイルス性と細菌性がありますが、上気道感染症に比べて細菌感染の関与するケースが多くなり重症度も増してきます。年齢により原因微生物に特徴があり、例えば乳児期にはRSウイルス、ヒトメタニューモウイルス、パラインフルエンザウイルスなどが多くなります。学童期になると肺炎マイコプラズマが多くなります。年齢や季節、流行状況などを考慮した診断、治療が必要となります。

急性胃腸炎(嘔吐下痢症)

嘔吐、下痢、腹痛が主な消化管感染症の症状です。大きく分けてウイルス性と細菌性がありますが、重症度や治療法が違いますので区別することが大切です。原因となるウイルスにはロタウイルス、ノロウイルス、アデノウイルスなどがあります。細菌性にはサルモネラ菌、カンピロバクター菌、病原性大腸菌(O157など)の他にも多数あります。血液や膿が混入した便、生臭いにおいの便、ぐったり感が強い場合には細菌性を疑い、便培養による細菌検査が必要になります。

治療はウイルス性の胃腸炎では脱水予防と整腸剤が、細菌性では、全例ではありませんが抗菌剤を服用する場合があります。ロタウイルスに対してはワクチンがありますので乳児期に服用(1回目は生後14週6日までに)しておくと予防と軽症化が可能です。

臍ヘルニア(でべそ)の保存的治療

臍ヘルニアとは、いわゆる「でべそ」のことです。この疾患は生後3か月頃にいわゆる「でべそ」の程度が一番強く、その後徐々に小さくなり、1歳ころまでには約80%が自然に治ることがわかっていました。
しかし、経過観察中に周囲から指摘されるなどご両親の精神的負担も大きく、また、最終的にきれいに治らないこともあるため美容的観点から手術を要する場合もありました。

当クリニックでは、短期間にきれいに治すスポンジ圧迫法による保存的治療を行っておりますので、ぜひご相談ください。
生後2か月頃から治療が可能です。早めに開始することをお勧めします。

海外旅行で気をつけること

海外旅行は日常生活を離れて、羽を伸ばすことができる楽しい時間です。しかし、長距離の移動や時差が負担になったり、国内ではかからない病気になったりと、体調を崩しやすいものです。
いろいろな食べ物を口にしたくなりますが、特に衛生状態が良くない旅行先では、生水や氷、カットフルーツ、加熱が十分でない料理には十分に気をつけましょう。

海外では蚊に刺されることでデング熱やマラリア、動物に咬まれることで狂犬病など、重い病気にかかることがあります。旅行中は虫除け対策をして、むやみに動物に近寄らないようにしましょう。

肝炎やインフルエンザなどは、予防のためのワクチンがあります。海外旅行を安心して楽しむための対策は、かかりつけ医に相談しましょう。

(日医ニュース、健康プラザ No.414より)

創傷治療について

小児科とは少し離れるような印象を受けられるかもしれませんが、当診療所では大きな縫わなければならないような傷を除けば内科的に治療を行っています。
基本は「消毒しない」「傷口を乾かさない」という治療法です。この方法は今ではかなり一般的な傷の治療法になってきましたが、当診療所では数年前から実践しており、痛くない上に、傷口が早く、きれいに治ることを実感しております。ぜひご相談ください。

小児科のその他疾患

蕁麻疹(じんましん)/突発性発疹/水痘/帯状疱疹/単純ヘルペス/おたふくかぜ/ クループ/気管支炎/肺炎/腹痛/胃腸炎(ノロ、ロタ)/脱水症/頭痛/アレルギー性紫斑病/川崎病/貧血/甲状腺腫など

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